産業

2010.2.28 Industry

20年以上にわたってADINAは世界中の様々な産業、自動車、重機、生体工学、土木、建築、エネルギー、日用品、そして研究で幅広く利用されてきました。ADINAシステムは、多くの最先端技術の開発のために幅広い用途と強力な解析ツールの能力を推し進めてきました。ここに、幾つかの事例を紹介します。

1.生体工学への適用

心臓手術の流体-構造相互作用解析

ADINAは生体工学の利用に幅広く利用されています。以下は、この広範囲にわたる採用の理由です。

  • 先進的な材料モデル
  • 大変形と有限ひずみを含む信頼性、有効な要素定式化
  • 堅牢な接触アルゴリズム
  • 速く、堅牢なソルバー
  • CFD、一般的なナビエ-ストークス流体
  • 一般の非線形構造体とナビエ-ストークス流体間の相互作用を、モデル化するための最高水準の流体-構造相互作用機能
  • 包括的なマルチフィジクス機能

ADINAの適用事例は、細胞と組織の機構、心血管機構、脳脊髄機構、成形外科、眼病、LASIK手術、コンタクトレンズ、デンタルインプラント、薬投与、人工心臓、脊柱機構、手根幹、移植/人工装着、メニスカス置換、人工肺、声帯、上気道、生体反応、人工心臓弁、心臓手術、細胞組織のアブレーション、ステント、胆汁の流れのモデリングなどがあります。

2.自動車産業への適用

エンジンアセンブリの解析

以下の理由から、ADINAは自動車産業の問題に魅力的な解析ツールになります。

ADINAシステムのモデル生成とメッシュ機能に加えて、モデル形状やメッシュを簡単に読込めるCAD/CAE用のインターフェースもあります。解析の結果をADINAのポストプロセッサーで見たり、他社のCAEソフトウェアのポストプロセッサーに渡すこともできます。

ADINAは、大変形/大ひずみ、材料非線形、接触を含む非線形の強い静解析や動解析、など問題を解くための総合的な解析機能を持ちます。非線形材料では、幅広い材料モデルをもち、信頼性のある有効な要素技術も用意しています。それは、自動車産業で常に起こる複雑な問題に対して、信頼できる解を得るために重要な機能です。

ADINAでは、同じソフトウェア環境で様々な物理場をモデル化することができます。 解析者は、他社のソルバーのライセンスを必要とすることなくADINAシステムの中で構造、熱伝導、流体問題をシームレスに解くことができます。

自動車産業の多くの問題では流体-構造相互作用、熱-構造のように幾つかの物理場の相互作用が必要になります。ADINAは、そのような問題を効果的に対処することができる包括的なマルチフィジクス機能を提供しています。

ADINAは、高速で堅牢なソルバーを用意し、車のエンジンブロックなどの構成要素多い大規模モデルにおいても、設計サイクルをスピードアップできます。

ADINAの適用事例には、エンジンブロックアセンブリー、搭乗者安全性、ポンプ、バルブ、液封エンジンマウント、ショックアブゾーバー、ABS、ディスクブレーキ、エアバッグ、排気、ガスケット、タイヤ、タイヤのハイドロプレーニングなどがあります。

3.原子力産業への適用

原子炉のブローダウン実験

最も厳しい監査基準のひとつとして、原子炉は全ての環境による影響(例えば、地震、風など)に耐えるだけでなく、考えられる事故(パイプの破断、内部爆発など)でも放射性物質を漏出させることなく耐えなければなりません。これは、解析と設計の視点の両方からの試みを意味します。

ADINAは、原子炉とそれらの周辺の、非線形解析における、要素、広範囲な洗練された材料モデル(地盤、コンクリート(クリープ含む)、金属)を提供します。

通常、原子炉のシミュレーションは、構造、熱、流体の応答が複合した大規模な有限要素モデルが必要になります。ADINAの流体-構造相互作用の機能が、地震やその他の事故(例えば、管の破断)による水と炉のモデル化を可能にします。このような解析では、流体をポテンシャル流体(音響流体)あるいは、完全なナビエ・ストークス方程式のいずれかを用いてモデル化できます。連成解析において、モーダル解析と、非線形時刻暦解析の両方を解析することができます。また、熱、構造変形、流体流れが結合された効果も含めて、解析できます。

ADINAの適用事例には、ブローダウン条件、制御棒の落下、パイプの破断、内部破裂といった解析があります。

4.成形への適用

S字レール部のプレス成形

ADINAは、接触、大変形、材料非線形が重要となる様々な産業分野での成形解析に優れています。金属やプラスチック部品の成形解析をADINAを使って実行できます。様々な部品のハイドロフォーミングの解析もADINA-FSIを用いて実行できます。ADINAは、陰的、陽的、両方の時間積分スキームを提供し、計算の効率を最大限に高めるために成形過程のシミュレーションに組み合わせて用いることができます。ADINAはソリッド要素やシェル要素を用いて、成形解析を解く事ができます。

ADINAの適用事例には、型曲げ、ブロー成形、ヘム加工、プレス成形、深絞り成形、ロール成形といった解析があります。

5.ハイテク産業への適用

人工飛翔デバイスにおける羽のはばたき

特にマイクロマシン技術(MEMS)のようなハイテク産業の多くの問題に対するシミュレーションでは、様々な物理場(例えば、構造変形、流体流れ、温度、電場など)のモデリングが必要になります。

そして、装置がより小さくさらに小型化されるにしたがって、一般に異なった物理場の相互作用は著しくなります。

ADINAはこのようなデバイス設計において、不可欠の部分をマルチフィジックス解析によって提供します。 ADINAでは、同じソフトウェア環境内でこれらの異なった物理場をモデル化できます。

他社のソルバーのライセンスを必要とせずに、解析はシームレスにADINA Systemの中で構造、熱伝導と流体問題を解析できます。

ADINAは事実上、そのような問題を効果的に処理するマルチフィジックス機能を提供します。

以下に、これらの機能をいくつかご紹介します:

  • 流体-構造相互作用(FSI)
  • 熱-構造カップリング(TMC)
  • 構造-間隙水圧カップリング(porous media)
  • 熱-流体-構造カップリング
  • 電場-構造カップリング(圧電)
  • 熱-電気カップリング(ジュール熱)
  • 音響流体-構造カップリング
  • 流量-質量拡散カップリング

ADINAの適用事例には、落下試験、電子部品実装、流体-構造相互作用する電気機械、マイクロマシン技術(MEMS)、ロボット工学、原子間力顕微鏡法(AFM)、微小流体デバイスの解析があります。

6. 土木工学と建設への適用

シェル要素を使用した梁のモーメント-曲率関係

ADINAはコンクリート、鉄鋼、土壌モデルのような非線形材料を幅広く提供し、鉄鋼とコンクリート構造とそれらの環境を効果的にモデリング出来ます。

コンクリートのスチール補強の効果は、連続要素の中で補強の梁要素を埋め込むことによって考慮できます。

段階的な工事は、構造の掘削、トンネリング、地震修復などが考えられます。 ADINAの要素Birth/Death機能は、そのような問題をモデル化する簡単な方法がございます。

ADINAは直接積分、モード重ね合わせ法、ランダム振動、応答スペクトル、モーダル解析、動的サブストラクチャなどを用いて構造や地質工学問題の動的効果(例えば地震による)をモデル化し、解析する事ができます。

また、それは土の時間依存応答に間隙水圧(地下水による地盤内の水圧)の効果をモデル化するためporus mediaの定式化を提供します。 この機能は、土壌構造の応答を研究するために土壌の塑性材料モデル(例えばMohr-Coulomb, Drucker-Prager) を組み合わせることができます。

地震荷重のかかる貯蔵タンクの流体-構造相互作用もまた、ADINAを使用することによって効果的にモデル化できます。ADINAポテンシャル流体要素のはこの分野の問題で流体をモデル化するのに効果的です。 ADINAの適用事例に、ビルディング、橋梁、冷却塔、サイロ、競技場、コンクリートダム、トンネル、石造建築物、アースダム、斜面安定、地面の強度解析などがあります。