ADINAは様々な分野で活用されており、地盤工
学もその1つです。現在ADINAが用意している土質モデルは、Drucker-Prager、 Mohr-Coulomb、 Cam-clay、
curve description modelです。これらのモデルは、次のようなADINA機能と組み合わせて使うことができます。
- 2次元、3次元ソリッド要素
- 要素のbirth / death
オプション (トンネルの問題によく使われます)
- 初期応力、初期ひずみ
- 重力荷重
- 大変形、微小変形
- 関連流れ則 / 非関連流れ則
地盤工学分野でのADINAの使用を説明するため、
Mohr-Coulomb材料モデルを使った、一般的な地盤力学の問題の解析を2つ紹介します。1つ目の例題は、土台上の布基盤の典型的な問題です。こ
のモデルでは、布基盤の影響をモデル化するために、一様な分布圧力をかけています。
図1. 1例題目の問題概要
垂直方向の対称性により、半分の領域だけをモデル
化しています。有限要素メッシュは、9節点の2次元平面ひずみ要素で作られています。図2は、関連流れ則 /
非関連流れ則の解析から得られた荷重‐変位のグラフです。それぞれのケースで2解析行っています。非関連流れ則の解析における、土台に発生
したミーゼス応力を上の動画に示します。
図2. 1例題目の結果:荷重‐変位のグラフ
2つ目の例題では、トンネルの屋根の支柱が徐々に取
り除かれる問題を考えます。この解析の目的は、支柱の除去によるトンネルの屋根の変位を求めることです。支柱は、半径方向の圧力でモデル化
されています。
図3. 2例題目の概要
圧力が50%〜55%除去されたとき塑
性が始まり、最終的な(つまり、トンネルにかかる圧力がなくなったとき)塑性半径は、8.85mという結果が得られました(下の図4をご覧ください)。図
5では、圧力の除去によるトンネルの半径方向の変位を示しています。
図4. 2例題目の結果:図3の領域AにおけるMohr-Coulombフラグをバンドプロットで示しています。
図5. 2例題目の結果:トンネルの半径方向の変位
上の2つの例題で紹介しているのは、地盤力学の問題を
解析するときの、ADINAの強力な機能のごく一部です。
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