流体と構造の複雑な連成問題に、ADINAは広く使われています。
その事例には、自動車のドアシールのシミュレーションがあります。
下の図1に示す通り、シールはゴム材料で作られ、中の空洞には空気が満ちています。
モデルの両端には対称条件が適用されています。
シールモデルが圧縮された時、中の空気は小さなオリフィスを通って流れ出します。
これによって、シールに必要な消散エネルギー特性が得られます。
シールの
変形のシミュレーションは、ゴムの大変形と接触が起こり、
さらに空気がオリフェスから押し出されることによって空洞が大きく変形する強連成のFSI問題です。
このため、強力なArbitrary Lagrangian-Eulerian(ALE)によるメッシュ更新定式化が必要です。
上のアニメーションに示しているのは、シールの変形に伴うゴムの応力と空気の圧力と速度です。
変形形状と流速は図1に示しています。
図2には、異なる3つの速度を適用した時の荷重とシールのたわみのグラフです。
速度の変化が結果に大きく影響することに注意してください。
図1. 変形形状と流速
図2. 荷重 - たわみカーブ
これまでに
紹介したニュースと同じように、今回のニュースでも、産業界においてADINAで解析できる複雑なFSI問題を示しています。
キー
ワード :
流体と構造の連成、自動車ドアシール、ゴム材料モデル、強連成FSI、任意ラグランジュ-オイラー定式化、ALE
この問題は、
ISKO engineers AG(ドイツ)の提供によるものです。
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