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◆Stability of Rubber Models
ゴムモデルの安定性


概要

異なるゴム材料モデルを使用して、 上に示すゴムの部品の解析を行いました。 ゴム材料の安定性の指標が負になるとき、解析は収束しません。 ADINA8.5(1) の新しい安定性をプロットする機能を使用することで、ゴム材料モデルの安定特性を視覚化できます。


ゴム材料モデル

図1、図2には、 今回使用するゴム材料の1軸引張り、2軸引張り試験のユーザーデータを示しています。 グラフには、工学応力‐伸長比がプロットされています。 これは一般的にゴム状材料のデータを表現するのに使われるものです。 グラフには、9次のMooney-RivlinとSussman-Bathe材料モデルのフィッティングレスポンスが示されています。 入力データに対し、2つの材料はともに良好なフィッティングカーブが得られています。

図3では、真応力と対数ひずみを使用して、1軸の 引張り/圧縮の同じデータを表しています。 引張り、圧縮ともにカバーされていることに注意してください。



図1. 工学応力‐伸長比、1軸引張り




図2. 工学応力‐伸長比、2軸引張り





図3. 真応力‐対数ひずみ
これらのカーブは、従来通り図1、図2に示している1軸引張りと2軸引張りの
カーブから得られたものです。





ゴム部品の解析

これらの材料モデルを用いて、 上に示すようなゴム部品の解析を行いました。 ゴムは強制変位で引張られます。図4をご覧下さい。



図4. ゴム部品、元の形状と変形後の形状



図5が示すのは、 それぞれの材料モデルから得られた力‐たわみのグラフです。 9次のMoony-Rivlin材料モデルが使われているとき、与えられた強制変位が1.4以上の時には解が得られません。 しかし、Sussman-Bathe材料モデルを使用したとき、さらに大きな変位を与えても解を得られます。




図5. 力‐たわみのグラフ




安定性のプロット

安定性をプロットする新しい機能によって、 ゴム材料の収束挙動を見ることができます。 今回使用した材料モデルの安定性のプロットは、図6、7に示しています。




図6. 安定カーブ Sussman-Batheモデル
(Material 1 とは、一つの材料だけが使われているということです)




図7. 安定カーブ  Mooney-Rivlinモデル



安定性のプロットは次のような考えに基づいていま す。 1軸の引張りを受ける、一様なゴムのシートを考えます。それぞれのひずみレベルで、増分剛性マトリックス (変位の振幅による力の振幅に相当します)が決定されます。増分 剛性マトリックスの固有値が計算され、その最も小さな固有値が安定性の指標として扱われます。 この指標が0より大きい時、材料は安定し(与えられた力の振幅に関して)、そうでなければ不安定になります。 せん断試験、2軸引張り試験についても同じ方法をとります。

安定性のプロットには、Sussman- Batheモデルが変形の3つのモードで安定していますが 9次のMooney-Riblinモデルは2軸引張りの真ひずみが0.4以上で不安定になっていることが示されています。 このゴム部品は2軸引張りなので、9次のMooney-Rivlinモデルを使用した解析が、 Sussman-Batheモデルよりも小さな荷重/変位で失敗してしまうのも当然です。


追加情報

応力ひずみの実験データから安定した材料が得られ た場合、材料モデルも安定するのが、望ましいです。 今回の場合には、9次のMooney-Rivlin材料モデルは明らかにこの特性を持っていません。

Mooney-Rivlinモデルで、安定性の指 標を正の値にするために、 異なる材料定数を選択することができます。しかし、それでは入力データにあまりフィットしません。


キー ワード
材料モデル、ADINA、安定性、Mooney-Rivlin、Sussman-Bathe


リファレンス

  • T. Sussman & K.J. Bathe, "A model of incompressible isotropic hyperelastic material behavior using spline interpolations of tension-compression test data", Commun. Num. Meth. Engng (2008), in press


(1) ADINA version 8.5.2以上


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