ADINAで使用できる重要な機能として、
非線形の問題における周波数、モードシェイプの計算があります。
非線形の解析には、形状非線形、材料非線形の条件、接触が含まれ、
これらの解析のどの計算ステップからも周波数、モードシェイプを得られます。
これらはサブスペースイタレーション法、あるいはランチョス法で計算されます。
今回のニュースでは、
2つの例題から得られた周波数計算を紹介します。
図1.ではブラケットと接触が考えられる領域を表示しています。
ブラケットはボルトでとめられています。
図1. ブラケットモデルと接触面(ブルー)
摩擦を考慮した接触と、
ボルトの締め付けがある場合とない場合、それぞれの周波数を低い方から表1.にリストしました。
接触がないとき、つまりボルトが締められていないときには、3つの剛体モードがあります。
物理的に当然そうであるように、ボルトが締められ、接触が起こったときには、
周波数はもちろん全く異なります。
上の動画は接触があるときの最も低い振動モードです。
表1. ボルトの締
め付け/接触 の有無とブラケットの周波数
Freq. No. |
Freq. (rad/s) |
With
contact conditions |
Without
contact conditions |
1 |
0.3513E+05 |
0.1000E-04 |
2 |
0.3613E+05 |
0.1000E-04 |
3 |
0.6003E+05 |
0.1000E-04 |
4 |
0.7959E+05 |
0.8555E+04 |
5 |
0.9622E+05 |
0.1811E+05 |
6 |
0.1065E+06 |
0.2392E+05 |
図2.が示すのは
ボルトによって組み立てられたホイールです。この解析でも同じような結果が得られます。
図2. ホイールの一つ目の振動モード‐
左;ボルト締めしたホイールアセンブリ、右;ボルト締めしてないホイールアセンブリ
表2. ボルトの締
め付けの有無と
ホイールアセンブリの周波数
Freq. No. |
Freq. (rad/s) |
Bolted wheel assembly |
Unbolted wheel assembly |
1 |
0.4998E+03 |
0.1000E-04 |
2 |
0.5057E+03 |
0.1000E-04 |
3 |
0.7031E+03 |
0.1000E-04 |
4 |
0.9888E+03 |
0.2357E+03 |
5 |
0.1019E+04 |
0.2360E+03 |
6 |
0.1023E+04 |
0.2843E+03 |
非線形解析の
どのステップにおいても周波数とモードシェイプが計算できるという機能は、
とても重要かつ有用なADINAの機能と言えるでしょう。
キー
ワード
周波数解析、接触、ボルト、ADINA、非線形有限要素、サブスペースイタレーション法、ランチョス法
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