シールドトンネルにおける重複したトンネルの安定解析
2014.03.15 Stability Analysis of Overlapping Tunnels during Shield Tunneling
巨大トンネル掘削機(TBM)を用いたシールドトンネルは地下鉄の地下トンネル建設に幅広く使用されます。トンネル内で、土層物質はTBMのボーリングヘッドにより圧迫、圧壊、除去されます。シールドはボーリングヘッドにより押され、それを安定させるように、新しく作られたトンネル表面に圧力がかかります。ボーリングヘッドとシールドが1つライン幅を進めた後、ライン(プリ製造された、コンクリートリングの断片)が設置されます。この手続きは業界で「launching」サイクルとしばしば呼ばれます。このように、「launching」サイクル毎に、1ライン幅ずつ、トンネルを拡張していきます。1つのトンネル計画は、何千回もの「launching」サイクルで作成されます。
トンネルプロセスは、地層周辺の地質を大きく変更し、それにより、地層周辺の沈下や隆起を起こし、既存のトンネル近傍の安定性に影響する場合があります。それゆえ、トンネル化の影響の正確な評価を知ることは重要です。本文では、Zhongshan大学(参考文献参照)のエンジニアと科学者により、中国Guangzhou Zhujiang Xincheng地下のAPM(全自動無人運転車両)システムのシールドトンネル工法が、Guangzhou地下鉄ライン1に与える影響を評価するために、どのようにADINAを適用したかを紹介します。地下鉄ライン1トンネルは地表から17.4m下にあり、APMトンネルが2.4m更に地下に交差するように配置されています。(図1参照)ADINAは複雑な非線形問題を扱うとき、多くの強力な能力(特にその正確さ)で選ばれました。
図2にトンネルのADINA-FEM(有限要素モデル)の詳細図をしめします。要素消滅(Element Death)および要素生成(Element Birth)がトンネル化の工程をシュミュレートするために、使われます。進行毎に、リングセグメント周辺の要素は「消滅(Death)」また、リングセグメント要素が「生成(Birth)」します。43分進行する毎に、合計155回の進行がシミュレートされ、要求される精度に達します。
トップ画面の動画は、トンネル化の一部です。図3はAPMトンネル化工程間のライン1トンネルの動作を示します。見てみるかがり、動作はとても小さいです。(1mm以内)
図4のグラフは、新しいAPMトンネルと既存のライン1がトンネルの交差するあたりの、地下の地盤沈下を描きます。縦断面(実線部)はADINAモデルから計算されます。計画された地盤沈下(点線部)と比較します。明確に示されたように、その地盤沈下はわずか約10ミリメートルです。また、解析結果は測定とよく一致します。
解析結果をベースにし、エンジニアはトンネル化による、トンネル移動および地盤沈下が小さく設計許容範囲内と予測しました。
ADINAは、信頼性と精度により、広範囲の産業界で受け入れられた解析プログラムです。
参考文献
Z. Liu, C. Zhou, and F. You, "3D Numerical Stability Analysis of Overlapped Tunnel Groups under Shield Tunnel Undercrossing", International Journal of Earth Science and Engineering, Vol. 5, No. 5, pp. 1110-1122, October 2012.
キーワード
土質力学、トンネル化、進行サイクル、線形、非線形、生成-消滅オプション