ジョージワシントンメモリアルブリッジ、通称オーロラブリッジの免震

2012.3.15 Seismic Isolation of the Aurora Bridge



ジョージワシントンメモリアルブリッジ、通称オーロラブリッジの免震


現代の地震工学では、大地震による国土の甚大な被害を防止する免震設計 の重要性が増しています。免震に対する実用的で効果的な方法のひとつに 橋梁によく用いられている球面すべり支承があります。

本文は、ワシントン州シアトルにあるレイクユニオンに架かるオーロラ ブリッジ(図1参照)の免震のための球面すべり支承とそのモデリングを 紹介します。このようなすべり支承が用いられている代表的な位置は図に 印してあります。


図1 オーロラブリッジ


図2に見られるように、球面すべり支承はステンレス製の凹面の皿と コンポジットライナーがついたステンレス製の連結すべり面から構成 されています。地震がくるとスライダーは凹面の皿上を前後にすべり、 スライダーと皿の球面はまさに振り子のような動きをします。 コンポジットライナーは、すべり支承に作用する垂直力の5?7% の摩擦力を生みます。すべり支承は振り子運動と摩擦による地震の エネルギーの吸収によって地震から構造を守ります。


 
(a)     (b)
       
図 2  球面すべり支承: (a) 写真 (b) 構造物      


摩擦をともなう接触面を用いて球面すべり支承のモデルをADINAで 表したものを図3に示します。皿は球面の剛体接触面としています。 スライダーはちょうど二つの四面体要素で表します。 双対する接触面(スライダーと皿)が支承に作用するのと均しい 摩擦係数で接触ペアになります。



図3 球面すべり支承の接触モデル


上の動画は地震荷重によるオーロラブリッジの全体応答です。 下の動画は同地震荷重による一つの球面すべり支承の応答です。





ビルや橋のような地震荷重を受ける構造の解析には大きな信頼性と 有効性のある解析ツールが必要になりまます。非線形解析機能が 証明されていて先進的なADINAは地震工学上のシュミレーションに 広く利用されています。

Keywords:
免震、球面すべり支承、橋、摩擦接触、レトロフィット、土木工学、 地震工学

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