チタン棒の曲げ成形

2010.6.30 Forming a Titanium Rod by Bending

Forming a Titanium Rod by Bending
チタン棒の曲げ成形

 

高強度で軽量化のために、チタン合金は工業界において、幅広く使われています。

これらの特徴は、スポーツ用品や生体医学移植や、航空機関連、航空宇宙関連の適用において、重要です。

 

曲げ加工は、チタンで作成される部品の冷間成形に幅広く利用されています。代表的な成形の設計検討の一つに、成形除荷後の弾性回復(スプリングバック)の検討があります。

また、成形中の塑性変形による、資材内の残留応力は、形成部品の載荷能力に重要な影響を持っています。

 

試験機の取り付けは、下図のようになります。

 

図 チタン棒曲げ成形の試験機の取り付け

 

試験機装置は、2つのローラーと1つのアームで構成されます。

固定ローラーがチタン棒を誘導し、移動ローラーが動く事で棒を曲げます。

 

上記アニメーションは今回の検証に3次元有限要素モデルが使われました。そしてチタン棒の変形は90°曲げ成形します。棒と両ローラーは、20節点の六面体要素を使いモデル化しています。

上記アニメーションにも示されている通り、棒の曲がる部分には細かいメッシュが切られており、それ以外の部分には粗いメッシュが切られており、計算効率を上げています。モデルと荷重の対称化のため、棒とローラーは半分にモデル化します。

大ひずみの弾塑性解析でチタン棒が曲げられながら、弾性が残留すると仮定します。

チタン棒の材料モデル化には、大ひずみのミーゼスモデルで等方性材料、多直線近似の弾塑性材料を用います。

 

以下のアニメーションは、成形中でのチタン棒の累積相当塑性ひずみのコンター図と、チタン棒とローラー間の接触圧力です。

以下アニメーションに示されている通り、曲げ成形によって、大きい塑性域がチタン棒断面の上面と下面に発生しますが、チタン棒の中心部は弾性域がのこります。

この中心部の弾性域の大きさが、除荷後のスプリングバック量の支配的な原因となります。

 

 

参考として、直径の異なるチタン棒とローラーのスプリングバックの解析結果はそうなりますし、試験結果も同様です。

これらのモデルは、全てADINAの数値変数を使ったモデル化で、簡単に異なる直径モデルを生成できます。この事例は、成形問題シミュレーション内のADINA適応事例の1つです。

他のご興味のある適用事例は、成形問題のADINAの適用事例をご覧下さい。

 

[参照文献]

J. Adamus, P. Lacki, "Forming of the titanium elements by bending", Computational Material Science, In Press, 2010

 

キーワード:

成形、曲げ、大ひずみ弾塑性、接触、パラメトリックモデル、チタン、生体医学移植、航空機、スポーツ用品、スプリングバック

 

Courtesy of J. Adamus and P. Lacki, Faculty of the Mechanical Engineering and Computer Sciences,

Institute of Metal Working, Quality Engineering and Bioengineering, Czestochowa University of Technology, Poland